渉成園(枳殻邸) 四季折々の景色を観たくなる。

渉成園はお東さんと呼ばれ親しまれている東本願寺の飛地境内地で、寛永18年(1641)に徳川家光から東本願寺13代宣如上人に寄進されました。東本願寺の約150m東にあり、また京都駅からも徒歩で約10分くらいです。


こちらは渉成園の東側になる河原町通りから。
河原町の五条を下がってしばらくすると、西側に長い塀が200mくらい続いています。京都に住み始めた10年前、義母にあの塀の中は何かと尋ねると「ああ、あれは きこくてい(枳殻邸)や」。え?「キコクテイ?」「KIKOKUTEI??」何だかよく分からないけど、とりあえず名前だけインプット。そんな感じでした。その頃はまだ一般公開されてなかったと思います。(大きなお世話ですが、河原町通りのこの辺北向きはスピード違反の取締りを時々やっているようですひやひや



河原町から西へも塀は長く続いています。   屋根瓦には「本願寺」。



入り口は庭園の西側、こちらが渉成園の入り口(西門)です。入って右側に参観受付。ここで庭園維持のため一人につき500円以上の寄付をします。500円以上と決まっているわけでもないようですが、500円以上を納めるとオールカラーの立派な「渉成園ガイドブック」をいただけます。



門をくぐれば正面にどーんと高石垣。色々な石が組み合わされているようで個性的な石垣でした。その下に少しだけ枳殻(からたち)の生垣がありました。昔は周囲にぐるっと枳殻の生垣があったそうで、それで「枳殻邸(きこく邸)」と呼ばれています。私は正式名称が「渉成園」であることをしばらく知らず、ずーっと「枳殻邸」だと思っていました。



高石垣に沿って角を曲がり、こちらが庭園入り口です。

宣如上人はこの地に屋敷を造営して隠居し、石川丈山の趣向を入れた作庭を行いました。



臨池亭(りんちてい)(左)と 滴翠軒(てきすいけん)(正面)
入り口を通って左を見れば、小さな滝から水が落ちる美しい池と趣のある建物。池に臨んで建つ美しさからその名がついた臨池亭と池へ落ちる小滝(滴翠)から名が付けられた滴翠軒です。この池は庭園の北西に位置します。

園内の建物は江戸期の2度の大火により焼失し、現在のものは全て明治以降に再興されたものです。



庭園の東南から大部分を占めるのはこの印月池(いんげつち)。それから池に架かる木製の反橋(中央が高く弓状に曲線を描いている橋)侵雪橋(しんせつきょう)。雪が積もると更に美しさを増すそうです。

建造物は再興されたものですが、庭園はほぼ作庭当初の状態を伝え、昭和11年(1936)に国の名勝に指定されています。



侵雪橋の向こうに京都タワーが見えます。池にも鏡のように綺麗にくっきり。造園当初には考えられなかった借景?



印月池の東に架かる回棹廊(かいとうろう)。ここを渡って北大島へ。この左(東岸)には藤棚がありました。紫藤岸と言うそうです。藤の咲く季節にここからの眺めてみたいです。



北大島の小高いところにある茶室、縮遠亭(しゅくえんてい)。かつてはこの上段の間から東山三十六峰の一つ阿弥陀ヶ峰の遠景が縮図のように見晴らせたそうです。



印月池の南西に位置する茶室、漱枕居(そうちんきょ)。この室内からの印月池の眺めは格別だそうです。

江戸時代に訪れた文人 頼山陽が庭園内の樹石や建物を「渉成園十三景」とし、その風雅な情景が「渉成園記」の中で紹介されています。因みに漱枕居は十三景の十一。



漱枕居の傍らの紫式部
「十三景」にちなんで椿、桜、睡蓮など園内の代表的な花木が「渉成園十三花」として選ばれています。紫式部は「十三花」の最後十三の花でした。ちょうど実のなる時期で庭園のあちこちでその可憐な姿が見られました。



閬風亭(ろうふうてい)。閬風とは中国の仙人が住むとされていた山の名だそうで、かつて明治天皇がご休息に使われたこともある大書院です。前面には広大な芝生の広場?が続いています。



傍花閣(ぼうかかく)。敷地内のほぼ中央くらいになるでしょうか。山門の形をし、左右の側面に山廊と呼ばれる階段の入り口がある個性的な建物です。その名のとおり桜を眺めるために建てられた建物で、周囲には桜の木が多く植えられていました。

渉成園のあるこの地は平安時代初期、光源氏の実在のモデルといわれる左大臣源融(みなもとのとおる)の六条河原院の遺蹟とも伝えられていますが、今日では否定的な説も出され、いまだ確定には至っていないということです。
塀の外から見ると木々が鬱蒼として源氏物語の夕顔の帖に出てきた某院(なにがしのいん)を想像してしまいます。
そう言えば義母が「あこは前は貴族のお屋敷やったんや」と言っていました。しかし自分の若い頃のように話すので、まあ戦前の話かな?と思っていましたら、前って1000年以上も前かい!! きっと義母が子供の頃は河原町通りを牛車が行きかっていたに違いありませんたらーっ

渉成園(枳殻邸)は京都駅の近くにありながら、散策される方は少ないのでゆっくり観賞できます。四季折々の風情を楽しみに季節が変わる毎に行ってみたい庭園です。

渉成園のスペシャルサイトはこちら東本願寺のHPからご覧になれます。

                

 

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